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旅と本

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数日前に近くのブックオフで本の半額市がありました。
(画像はその時に買った本の一部)
半額だと思うと、ついつい手が伸びる。

その中の1冊、角田光代の「いつも旅のなか」で「あっ、そうそうわかるな~」と強烈に思うところがあった。
それは「旅と年齢」という一節。
ざっくりと書くと「旅にも年齢があり、その年齢にふさわしい旅の仕方があり、その年齢でしかできない旅がある。」ということ。

それを痛く、強く体感したのが、3年前の京都だった。
20代の時にして楽しかった旅の仕方を、40代でしてみたら見事にしっくりこなかった。
しっくりこないどころか、落ち着かなくて途中で大幅に変更してしまった。

20代の時、大きなリュック1つで色々なところに行った。
長い時には数か月かけてその国をまわり、特に予定もたてずに気にいった場所には長くいた。
若かったので、時間はあったけど、資金は少なく、宿はドミトリーばかり、食事も自分で作ったり、道端の屋台でよくわからないものを食べたりしていた。
宿で相部屋になった旅の人たちと話すのがとても楽しかった。
地図でしかみたことがない国の旅の話を、安い食べ物をつつきあいながら聞くのが大好きだった。

そんな旅をしなくなって20年近く経った頃、京都でふと、ドミトリー形式の宿に泊まってみたくなった。
食事は食堂のようなところでセルフ、部屋は4人部屋で2段ベットが2つ。
シャワーは1つなので、空いていたら入る仕組みだ。

部屋に入って感じた、恐ろしいくらいの違和感。
20代前半と思われる台湾の女の子2人と10代後半の日本人1人と40代の私。
意を決して話しかけてみたけど、話がまったくはずまない。

その日の夜、2段ベットの中で「旅にはその年齢にあった旅がある。もうこうゆう旅の仕方はあわなくなってしまったんだな~」と寂しさを感じた。

翌朝、もう1泊する予定をキャンセルし、反動からかちょっと豪華な宿をとったら、そこはそこでなんだか落ち着かなくて、そうゆうところに泊まってものんびりと楽しめるところまでもいってない、中途半端な感じが、角田さんの「自分の年齢の重ね具合と、最大限に楽しめる旅具合を目下調整中」という本の文章そっくりそのままで、共感しまくりながら読んだ1冊でした。
by peach-jamjam | 2012-01-14 09:04 | 日々のこと